皆様こんにちは。
AMDlabの前川です。
前回に引き続き、今回は実際の発注から施工までの話をしたいと思います。
前回展開したモデルの配置を板目方向や歩留りを考えて調整してブラウザに送ります。
ここでは、[em3DCAM]というコマンドを使用します。
このコマンドによって、モデルデータがブラウザに送信されます。
推奨ブラウザはGoogle Chrome(最新版)、Firefox(最新版)だそうです。
(自分はデフォルトブラウザをSafariに設定していたので、データを送ってもブラウザへの送信ができませんでした。)
データの送信されたブラウザ上で材料の種類やサイズ、仕上げの有無を選択します。
[加工データを作成]をクリック後、材料費や加工、システム利用料を含めた費用が表示されます。
清算後、お住いの近くの工場(選択できます)に加工依頼を送れば、加工済みの材料がお手元(もしくは指定の場所)に届くという流れになります。
ここで一つ問題が発生します。
加工データ作成後と作成前の写真を見比べるとわかるのですが、加工時の材料の割付を自分で決めることができないということです。
材料同士の距離をスピンドルの径である6.35mmしかセットバックしていないのが原因かと思い、少し余裕を持った設定で割り付けてみます。
やはり、材料同士の適切なマージンの有無にかかわらず、ブラウザ上で最適な割付が決定されてしまうようです。
今回、サブロク板を余すことなく使い切ることができるような寸法設定としていたのですが、EMARFでの発注が前提にある場合は材料への割付は少し余裕を見て設定するのがベターなようです。
さて、それでは実際に加工をしていきます。
今回は歩留りのこともあり、ギリギリを攻めたいので自身で材料を調達してメイカーズ・ラボ とよはしという施設のCNCルータを使って加工しました。
板をギリギリまで使っているのでとてもエコです。
切り出した部材の端を丁寧にヤスリがけを行った後に仮組みをします。
オフセット0.3mmのアラレ組みだと、丁寧にヤスリをかけるとかなり余裕があり少しパカパカ動くくらいでした。次加工するときは0.1mmにチャレンジしてみようかなと思います。
その後、自宅に持ち帰って上柿渋で塗装したのですが思いの外臭いが強く、そこから1週間くらい臭いが抜けませんでした。。
皆さんも塗料を使用する際は、特性や注意点をしっかり確認することをオススメします。。
なにはともあれ、完成です!
床に直置きしているWifiルーターをどうにかしたいというところから計画したのですが、他にもいろんなものが収納できるので部屋がかなり片付きました。
ここで少し、デザインの話をさせてください。
今回は裏テーマとして、ルーター加工特有のドリル逃げのフィレット穴を意匠として扱うことができないか考えていました。
すると既にEMARFアンバサダーの方がゴム紐で縫い合わせるというアイデアを実践されていました。
塗装乾いたので縫ってみた。CNCのドリル逃げのフィレット穴を利用して、ゴム紐で縫い合わせるスツール。さぶろく判1枚から2つ出力できました。いったん、ベンチと棚に。紐の色変えたり、縦横に増やしたり、色々できそう。#EMARFアンバサダー pic.twitter.com/m7LSTklbXj
— Kazuma DOGIN (@CuAgKazuma) August 11, 2020
私もこれにチャレンジしようと思ったのですが、同様のやり方で棚の隅角部を縫い合わせると、紐が棚の面の上にはみ出てしまって設置した時の安定感が損なわれてしまい、面からゴムが出っ張って必要以上に主張してしまいます。
そこで、このようなディティールを考えました。
縫い合わせると、こうなります。
紐がすっぽりと溝にはまって、棚の一部と化しました!
(紐と棚の色が近く、良くも悪くも目立たないのでもう少し明るい紐を使ってもよかった気がする、、)
今回私は、一緒に住んでいるものづくり初心者の友人と、棚の製作を行ったわけですが、
EMARFは初心者にとってのデータ作りや加工のハードルを下げて、
EMARFアンバサダーの方のような上級者の高度なものづくりを支援してくれるとても心強いツールだという事が実感できました。
次はせっかくなので、もう少しデジファブの特性を活かしたものづくりにチャレンジしたいと思います。
それでは今日はこの辺で。
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