【Grasshopper】テオ・ヤンセンの「ストランドビースト」を作る①

皆様こんにちは。
AMDlabの齋藤です。

今回は、ND3M R&Eでハンズオンをさせて頂いたので、そこでの内容を記事にしました。
内容はテオ・ヤンセンが作られた「ストランドビースト」をGrasshopper&Kangarooで作るものです。
それでは、やってみましょう!

今回のデータはこちらに挙げております。

https://github.com/AMDlab/TechBlog-Create-StrandBeest-No1

「ストランドビースト」とは?


「ストランドビースト」(strandbeest)とは、テオ・ヤンセンが1990年から作成している生物です。
Wikipediaでは以下のように紹介されています。

ストランドビーストは、プラスチックチューブで構成され、風力によって生物のような歩行をする造形作品。一脚を構成する各チューブの長さの比率は、「ホーリーナンバー」と呼ばれる13の数字で示される。プラスチックチューブの各部品を細胞(セル)と呼び、ストランドビーストを構成する基本単位としている。作品の変遷を生物の進化に模している。

Jansen-Strandbeest

Wikipediaより

また、ストランドビーストの語源はテオ・ヤンセン日本公式サイトよりこのように紹介されています。

STRANDBEEST: ストランドビースト
オランダ語で、砂浜を意味する”Strand”と生命体を意味する”Beest”の2語を繋げたテオ・ヤンセン自身による造語。テオが創る”生物”の総称。

さらに、ストランドビーストの1脚はテオ・ヤンセン機構と呼ばれるリンク機構となっております。

Strandbeest Leg Proportions

Wikipediaより

今回は、

  1. この1脚(テオ・ヤンセン機構)をKangarooで動かす。
  2. 辺mがある角度の時の形状を読み取る。
  3. その形状らを初期形状として、ストランドビーストを作る。

ような流れで作ります。
この記事では1をやっていきます。

テオ・ヤンセン機構を作る


①Rhino上で描画する

まずは、13の線分をRhino上で描いていきます。
描く場合はa(38.0), l(7.8)が水平、垂直になるのでそこから描きます。
次はm(15.0)で自由に描けますが今回は、上向きに描きます。
その後は円を用いて、b(41.5)-j(50.0), c(39.3)-k(61.9), e(55.8)-d(40.1), f(39.4)-g(36.7), h(65.7)-i(49.0)の順で、2つの円同士の交点を探して以下のように描けると思います。

この線分をGrasshopperへ取り込んでKangarooでテオ・ヤンセン機構を動かします。

②Kangarooで動かす

次はKangarooで動かしてみます。
以下のようなGrasshopperを組みます。

ここで使用しているKangarooコンポーネントは、

Show: 今回取り込んだ線分(Curve)をKangarooSolver後に表示させます。
Grab: KangarooSolver後で表示されている点をRhino上でマウスをドラッグすることで動かすことができます。
LengthLine: 入力した線分の長さが変わらないようにします。
OnPlane: 線分の始点終点をXY平面上に動かないように固定します。
Anchor: 入力した点をその場に固定します。
ここで入力する点は以下の点です。

さらに、Dot Displayを用いることで、Grabがつかめる大きさを読み取ることができます。

実際に動かしてみましょう。

Kangarooで動きました!

今度は次回のために、角度を入力して動くように改造してみましょう。

③Control Knobで動かす

次はControl Knobを使って動かしてみましょう。

ここでは、Anchorを使ってGrabで掴んでいた点を動かします。
そして、Control Knobの範囲は0~3600でRangeが360です。
さらに、今回入力している線は以下の線で1-2の順番で入力しています。

後はAnchorをEntwineにつなぎます。

では、実際に動かします。

Control Knobを動かすことでテオ・ヤンセン機構が動きました!

最後に


今回はテオ・ヤンセン機構を数値で動かすことができました。
一番下の点の軌跡が、足がつく部分がほぼ水平になっていることも確認できました。
次回はこちらを立体へ起こして動かしてみようと思います。

 

 

ARTICLES