皆様。
はじめまして、松尾と申します。これからAMDlab Tech Blogの記事作成に時々参加させていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いします!
本日はNeRF(Neural Radiance Fields)についてご紹介します。
NeRFはここ2,3年前に開発された新しい技術で、複数の2D画像または動画から3Dシーンを生成する技術です。
特にLUMA AIというNeRFを用いたアプリが有名です。
近年では様々な3Dスキャンアプリが存在しますが、だれでもどこでも手軽に3Dスキャンが行えるようになりました。
ただし、3Dスキャンもまだまだ表現としては発展途上でありますが、LumaAIは機械学習により比較的再現性高く3Dデータを生成してくれます。
建築分野ではどのように活用できるか、検証してみました。
今回の取組み
以下は本記事で取り組む項目です。
- iPad proを用いたオブジェクトの動画撮影
- Luma AIで撮影したオブジェクトの3Dモデル化
- Revitで表示
1. iPad proを用いたオブジェクトの動画撮影
本記事では「Revitでは再現しづらい現地の植栽、モデリングが面倒な敷地内にある工作物をLuma AIで作ってもらおう」という目標で進めます。
Luma AIはアプリ内での撮影機能や、動画作成機能がありますが、自身の撮影した動画をインポートして3Dモデルを作成することも可能です。
今回は、家の近所の公園に生えているツツジと水飲み場をiPad proで動画撮影し、そのMP4データをLumaAIに読み込んでみます。
動画は4Kで60fps設定としてます。iPad proで最も品質の高い設定です。
動画のピクセル数とフレームレートの設定もモデルの生成結果に影響するようです。
撮影方法にもテクニックがあるようです。今回は上、中、下の3つの視点から撮影しました。iPadができるだけぶれないように、ゆっくりと平行移動しながら対象物をぐるりと360度回りながら撮影します。
下の動画は撮影している様子です。本記事では早送りさせてます。
今回対象物がある程度大きいため、1視点からの高さの撮影のみだと欠落が生じました。
完全にきれいなモデルを生成するには、いくつか視点を変えてすべての箇所をなるべく正面で捉えるように撮影する必要があります。
また、視点を変えて撮影すると、動画データが複数になりますので、データは動画編集ソフトで一つのデータとして結合させる必要があります。(後のLuma AIが複数の動画データをアップロードできなかったため)
2.Luma AIで撮影したオブジェクトの3Dモデル化
次に撮影した動画ファイルMP4をLuma AIにインポートします。3Dモデル生成に少し時間を要します。
ただ待つだけですので、生成している間は他の作業ができます。
ちなみにインポートできるデータサイズは一度に最大5GBまでのようです。
下記が生成された結果になります。
撮影したツツジや水飲み場は3Dモデルとなりました。
ちなみに撮影対象物の周辺は画像として合成されており、とてもきれいな3Dモデルシーンが生成されます。
確認のため表示を切り替えてみると、対象物はこのようにメッシュモデルとして生成されているのが分かります。
因みに、Luma AIでは動画として書き出したり、最近ではunreal engineへ書き出すプラグインも発表されたようです。
3.Revitで表示
3Dモデルとして生成したツツジと水飲み場をLuma AI内でobjで書き出します。
書き出す際は「low poly/ medium poly /high poly」を選択できます。
今回は「high poly」でRevitにインポートしてみました。データサイズは一番大きくなります。
ちなみにデータは点群データとしても書き出せます。
点群であれば、周辺の対象物周りの画像も点群化されます。
今回は撮影対象物のみをobjで書き出し、それをRevitのリアリスティック表示で見てみました。
きれいに表示されましたね。
ただし、寸法を計測したところスケールは正確ではありませんでした。
LiDAR搭載の3Dスキャンと比較して、距離の計測ができないためかもしれません。
したがって、スケール調整がRevit内で必要になってきますので、それが少し面倒です。
細かくスケール合わせるなら、場合によっては現地で大きさを測っておく必要があります。
以上、Luma AIからRevitへのインポートまでの一連の流れになります。
おわりに
敷地内に存在するシンボルとなる植栽や、アート作品や彫刻、工作物等など、
建物を計画する上で考慮したいものをRevit内で再現しておきたい!が、モデリングが大変です。。
しかし、それらをあらかじめ動画で撮影し、LumaAI内で3Dデータとして生成しておけば、モデリングの手間が省かれます!
建物の計画する上で重要となる環境要素をあらかじめスキャンしておけば今回のような活用ができます。
今後は設計者にとって敷地調査で欠かせないツールになりえるかもしれません。
LumaAIは現在無料で使えるのでぜひ体験してみてください。
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