皆さんこんにちは
AMDlabの高山です。
本日は環境解析の1つであるダクトの圧力損失のソフトを紹介していきます。
今回、設備におけるダクトの圧力損失について紹介する背景にはインターンでの経験がありました。
インターンではRevitで設備の勉強を中心にやってきました。その際に配管やダクトの配置、電気の電線などの配置をした後に数ある環境解析の1つであるダクトの圧力損失を行うつもりでしたがどれがいいのかがわからず苦戦した経験がありました。
その経験を活かすため、この記事では以下の2つを中心にまとめました。
1ダクトの圧力損失について
2ダクトの圧力損失のソフトの紹介とその比較
ぜひ最後まで御覧ください。
1. ダクトの圧力損失について
そもそも圧力損失とは何でしょうか?
「圧力損失=エネルギーの損失を計算する」と解釈すると理解がしやすくなります。
それが起きる原因は複数あり、ダクト径や形状、合流部の有無、ベントキャップ等の部材などが関わっています。
ダクトで抵抗が生じることで、流量の減少に繋がります。その場合、その空間で必要となる換気量の基準を満たすことが出来ない可能性があります。そのような問題を解決するにはダクト等の換気経路ごとに圧力損失を計算し、できるだけ圧力損失が低くなるように設計しなければなりません。同時に、その圧力損失から適切な換気設備を選択し、必要な換気量が得られるように設計する必要があり、最終的には適切な換気扇・送風機等の選択をする必要があります。
一般的にダクトの圧力損失から条件にあった換気扇や送風機を決めるのには以下の手順で行います。
市販のソフトを使って、これらの手順を簡単に計算することが出来ます。
2. ダクトの圧力損失のソフトの紹介とその比較
ダクトの圧力損失を計算できるソフトはいくつかあるのですが、この記事では有名な4種類をご紹介します。
1:Revit
主な特徴は以下の2つです
- Revitに標準搭載されており、システムが接続されているかを事前に確認する機能が搭載
- 計算したものはHTMLやCSVでの出力が可能になる
実際にインターンではこれを利用して計算をしました。以下の写真はサンプルモデルから計算している様子です。
使ってみた感想としては以下の4つがありました。
- 各ダクトのサイズや速度・長さを元に細かく圧力損失が出力されるので精度が高い結果が得られる
- システムごとにそれぞれの情報が出るので管理がしやすく、結果がまとめて表示されるので見やすい。結果の出力も早いので原因をすぐに特定することができる
- 計算前にダクトや配管が接続出来ているかチェックすることで圧力計算をより正確に行うことができる
- 圧力損失のレポートを集計表でまとめることができ、Excelなどのアドインを使うことでデータの処理やプレゼンが可能になる
手動で簡単に設定することができ、結果が見やすいこともあり、はじめてダクトの圧力損失計算をするにはオススメです。
2:STABRO
引用:https://izumi-system.co.jp/it/software/kuucho/stabro_dsp/
主な特徴は以下の3つです。
- 風量やダクトサイズの一括変更や入力漏れ、ダクトサイズの計算などの事前対策が優れている
- 操作バーと右クリックメニューによる操作性や画面移動を減らした機能により作業効率をあげる
- Excelやダクト系統図など様々な出力方法がある
有料ですが30日間の無料体験版があるので気になる人は是非体験してみてください。
3:DesignDraft空調・衛生版
引用:https://xtech.nikkei.com/kn/article/it/column/20111205/555837/?P=2
主な特徴は以下の3つです。
- 離れた2点から複数の接続ルートを出し風量やアスペクト比に応じた最適なダクトや配管のサイズを提示できる
- 保温材、スリープ、インサートの配置が可能になる
- 圧力損失計算の他に静圧計算が可能でダクトを配置するだけですぐに計算ができる
4:Rebro
引用:https://rebronext.jp/contentscate_66_42.html
主な特徴は以下の3つです。
- 図面とCGの連動によりプレゼンテーションや業者とのコミュニケーションが容易になる
- スパイラルダクトや、高さ違い、勾配などの複雑な配管結合の対応が可能になる
- TOTO、LIXIL、フネンアクロス、三菱電機などのメーカーの部材データが豊富にある
ダクトの検討をするツール選定の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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